アイスの棒
アイスの棒ってどこに行くんですかね。
いつも思うんですよ。あの棒はどこに消えていくののかと。
誰にも知られずに闇の中に消えていくかわいそうすぎませんか。
僕が小学生の時にゴミ処理場に社会科見学で行ったことあるんですけど、きっとあの中にアイスの棒はいたんですかね。
缶はプレスされて四角形になったりして。
あの四角形のプレスされた缶たちを見ていると、お母さんに叱られている自分を見ているようでした。
なんだか悲しくもありますが、あのプレス作業がないことに進歩はないということなのかな、、、知らんけど。
少年はお母さんに叱られて強くなっていくもんやで、知らんけど。
小さい頃はよく母に怒られていました。
一学年上がるたびに事件を起こしてたもんです。
小学四年生の時、友達の家に遊びに行ったんですよ。彼の家にある「あたしンち」っていう漫画を読もうということで集まったんです。
面白いな~なんて思いながら読んでたら彼が急に来たんですよ。
尿意「やあ」
絶望しましたね。小学四年生の男子なんて言ったらデリケートなもので彼が本を読んでいるのを邪魔したくない。その気持ちが強かったんですね。
いや、、、本当はトイレを借りる自分がきっと情けなくて恥ずかしかったんでしょうね。彼にこう言いました。
僕「ちょっとコンビニでジュース買ってくる…!」
友達「いいよ~気を付けてね~」
僕は彼の善意を踏みにじってしまった。
けどそんなことは言ってられないもう限界だと、
尿意「やあ」
もうそこまで来ている。
幸い近くに美容室があったのでトイレを
「借りませんでした」
なんでかって?
友達の家でトイレを借りれない奴は美容室で借りられるわけないんですよね。
あの頃の僕をこんにゃくで思いっきり殴ってあげたいです。グーはだめです。
痛いので。
それでどうしたかといいますと、美容室の裏口っぽいところで用を足しました。
僕「ふあ~~」
すべてから解放されたような新鮮な気持ちになりました。
一回死んで、オロチマルに穢土転生された気分でしたね。もうすがすがしい。
「久々のシャバの空気は最高だぜ」て囚人が言い出す勢いでしたね。
なんなら多分言ってました。
すると、ガチャ。
裏口のドアが開いたんですよ。気づいた時にはもう遅かった。
店主と思わしき、いかついおじちゃんがすごい剣幕で近づいてきました。
目の鼻の先くらい近いって言いますけどもうあれは目と目でしたね。
人間関係でいうところの付き合って4年目になるカップルの距離感でしたね。
店主「学校どこ?」
僕「○○しょうがっこうです。」
店主「今回は黙っとくからもうするんじゃないぞ」
僕「は、はい!!ごめんなさい!」
彼は僕の中で、神の中の神。まさに神ですよ。いや、もう神超えて概念じゃないんかなって思っちゃいましたね。そう錯覚せざるを得なかったですね。
次の日に学校に行ったら報告されてて親呼ばれましたけどね。
しっかり報告されてました。親にこっぴどく怒られました。
もう裏切られて怒りですよね。
怒りしかわかなかったです。
帰った後、食べてたガリガリ君の棒に八つ当たりしてたなあ。
僕とアイス棒との思い出なんてこんなもんです。人間成長すればアイスも進化しますからね。常にアイスの棒を財布の中に入れて生活していきます。